妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

恒例のこのシリーズ

『パンの耳の丸かじり』 東海林さだお 著(朝日新聞社
パンの耳の丸かじり (丸かじりシリーズ)
この「丸かじり」シリーズも早22巻目。めちゃめちゃ長寿連載だ(週刊朝日に連載している「あれも食いたい これも食いたい」)。
食べることは大好きな僕なので、食べ物エッセイはとりあえず何でもござれだ。でもこれはそれプラス文章のおもしろさがある。僕は常々公言してるが(誰も聞いてないが)、僕の文章のお手本がこの東海林さだおなのである。そしてこれも常々公言しているが(誰も相手にしていないが)、東海林さだおはキング・オブ・エッセイである!
もちろんこれは僕の好みであるから、「いや、エッセイといえば向田邦子がいちばんに決まってる」とか言わないように。
でもこれだけのエッセイが書けるのは、それだけの体験をしているからなのだよな。体験っていってもどこかに何かを食べに行ってるだけなんだけどね。もしくは何気ない食べ物にテキトーな考察で切り込んでるだけなんだけど。
とはいえそれだけのことをこれだけの文章に仕立て上げるのは、やっぱり料理人(=著者)がうまいからなのだ。
言うまでもないが、東海林さだおは漫画家だから、挿絵も自分で描いてる。これがまたおもしろい。文章に夢中になって挿絵を見逃すなよ。もったいない。