妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

今日読み終わった本

『殺戮者は二度わらう 放たれし業、跳梁跋扈の9事件』
新潮45」編集部 編(新潮文庫
殺戮者は二度わらう―放たれし業、跳梁跋扈の9事件 (新潮文庫)
新潮45」という雑誌に掲載された、実際起きた事件のルポ。このシリーズはこれで4冊目。事件のルポって結構好きで、このシリーズもすべて読んできた。今回の第4弾は殺人事件ばかり9編収録されている。
このシリーズ、はっきり言って読後感は最悪。読み終わったら暗く殺伐とした気持ちになる。
でも悲惨な事件がどのように起こったか、詳細を知りたいから思わずページをめくってしまう。もうこれは野次馬的心理に他ならない。
人間ってこうも残酷になれるんだ、と殺す側の人間に怒りを感じたり、“運が悪い”としか言いようのない殺された側の人に涙したり。
いつどこで自分が殺されるかわからない。もうそれはなんの意味も無く、ただ自分がそこにいたというだけで、人生がそこで終わる。そんなことを考えてしまって嫌な気分になった。
もうひとつ。ライターの力ってすごいなと。取材したり裁判記録などを調べたりして事件の概要を再構成してわかりやすく読者に伝える。小説などとは違うがこの筆力にも注目すべきだと思う。