妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

今日読み終わった本

『編集狂時代』松田哲夫 著(新潮文庫
編集狂時代 (新潮文庫)
「王様のブランチ」の本のコーナーでおなじみ、松田哲夫さんの半生記である。
もうね、感想なんて一言ですよ。「うらやましい!」
編集者をやってる人間にとって、好きな本を好きなように作るってのは、最大の幸せである。松田さんはそれをやっている。もちろん努力もあったろう。大変な思いもしてる(これ読むとよくわかる)。でもすべては自分の作りたい本を作るというその一点に集約されているのである。
名物編集者と呼ばれる人は結構いる。多くの人のイメージは“変わった人”だろう。しかし松田さんを見てると穏やか〜で、やさしそう〜で、とても“変わった人”には見えない。
以前僕が通っていた『編集・ライター養成講座』で講師をしていただいた関係で、一度だけ酒の席でお話をお聞きしたことがある。ブランチでコメントを言うそのまんまのやさしい口調で、ニコニコしながらおもしろい話をしてくれた。もっと前にこの本を読んでればいろいろツッこめたのにな。残念。
あんな穏やかそうなのに、かなり波乱万丈な人生を送ってきているのがわかる。こういう経験が大事なんだろう。自分を振り返ってヘコみました。
僕はこんな編集者になりたい。「どうだっ!」って胸を張れる作品を作り出したい。