妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

今日読み終わった本

解夏さだまさし 著(幻冬舎文庫
解夏 (幻冬舎文庫)
いいじゃん、まっさん。期待しないで読んだらこれが意外とイケる。
芸能人って小説とか書くと先入観持たれるからかわいそうだ。片手間仕事だろうとか、名前で出してるとか。
その点さだまさし、完全に小説家でいけるんじゃないの。
4編収録。やっぱ「解夏」がいちばんいい。ぼくも目が悪いので(別に眼の病気になったわけではないが)こういう失明する恐怖は考えたことがある。だから読んでいる間じゅう胸が苦しかった。愛する人たちの顔、愛する場所、好きな本、映画、そういうものがすべて見えなくなる。これが行ではなくてなんだろう。読書中何度も主人公の隆之に気持ちがシンクロしてしまってつらかった。
ほか3編もよかった。人間って捨てたもんじゃないなと思った。