妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

今日読み終わった本

『驚愕の曠野【自選ホラー傑作集2】』筒井康隆 著(新潮文庫
驚愕の曠野―自選ホラー傑作集〈2〉 (新潮文庫)
[1]に引き続き[2]も読んでみた。なんだかすごい話を書くなぁ、筒井康隆って。この人の頭の中ってどうなってるんだろう。
こりゃすごいってのと、訳がわからんというのと、ありました。
まずうひゃあと思ったのが「二度死んだ少年の記録」だ。気味が悪いんだけど、不思議な魅力がある。小谷真理さんの解説にもあったが“心がイタイ”なんて次元ではない。
「傾斜」もおもしろい。たった2ページの作品。なんだこりゃとまず感じて、よーく考えるとめちゃめちゃ怖い。
「遠い座敷」は子供の頃に想像する恐怖に近い。こういうのを寝るときに想像して眠れなくなったりする。
「偏在」これはなに? 改行なしの組み方といい、入り乱れた構成といい、どういう恐怖なの? 訳がわからんので誰か教えてください。
そしてなにより「驚愕の曠野」。これはメタなんとかっていうの? よくわからないけど、すごい話だ。登場人物、読んでいる人、もう何がどこにあるのか頭が混乱する。筒井康隆のすごさを思い知らされる中篇だ。