- 作者: 西村雄一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/02/15
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
それぞれの映画の評論も交えつつ、最大の謎・2人の間に恋愛関係はあったのか、に迫っていく。
少し前に読んだ『原節子の真実』(石井妙子著)で原節子の小津(映画)に対する冷たさに意外な思いをしたので、本当にそうなのかと疑問に思ったこともあってこれも読んでみた。
するとまた全然印象が違う。これは著者が男か女かの違いがあるのではないか。
『殉愛』の方は、お互い惹かれ合っていたが、ふたりとも恋愛には積極的ではなく、死ぬまでプラトニックではなかったかという結論。
『原節子の真実』の方は同じような役ばかりやらされる小津映画はもうこりごりで、頻繁に噂される小津監督との恋愛もいい加減うんざりしているように書かれていた。
結局、小津安二郎も原節子もこの世にはいないわけで真実は誰もわからないわけで、自分の説を披露しているだけである。
やはり原節子の義兄である熊谷久虎という人物が重要になってくるが、これも真実はわからない。
わからないだらけで、ファンはいろいろ考えながら映画を見るしかないのだろう。