妄想特急 books & music

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悲しい

罪の声

罪の声

グリコ・森永事件を題材にその真相を書いた小説。
小説だから無論想像だが、そんなところだろうなとは思わされる。
話の出だしはすばらしくスリリングだ。自分のうちでグリコ・森永事件のあの有名な子どもの声が入ったテープが出てきたら、それが自分の声だとしたら・・・。
ただストーリー展開は関係者を見つけて証言させるの連続で正直安易な気がした。でも著者の書きたいところはそこではなく、おそらく事件に関わらざるを得なかった子どもの人生なのだろう。
最後はつらく悲しい真相が暴かれる。本当にこんな人生だったらやりきれない。
しかし本当の関係者はいまどうなっているのだろう。歴史に残る未解決事件を起こした人間はまだこの世にいるのだろうか。