妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

佐藤秀峰のたたかい

漫画貧乏

漫画貧乏

漫画界のみならず出版界で話題の佐藤秀峰。出版社との戦いからオンラインブックストアを立ち上げるまでを書く。漫画ではない。
漫画家の生活はどんなに売れていても厳しいとは聞いていたが、本当に凄まじいものがある。
印税や収入や原稿料まですべてさらけ出して書いてあるので、漫画家がどれだけ収入を得ているかを知りたかったらこれを読めばいい。
そして漫画家になりたい人が読めば絶対にあきらめたくなるくらい悲惨な生活が書かれている。何でもそうかもしれないが、書かないと自分がおかしくなってしまうくらいにの人間が漫画家になれるんだろう。
それにしても描いても描いても生活が苦しいままというのはめげるとは思う。
出版業界の悪いところは原稿料のことを最初に言わないところだ。それはまず出版できればそれだけでいいという著者が多すぎるからだ。それで出版社は「書かせてあげる」という意識から抜けることができない。
それは出版業界が衰退している今でもそう思っているところは多い。もう出版社なんかなくてもいい時代になっているのに、自分の会社は特別だと思っている。
どんどん自分で電子書籍として販売する著者が増えてきて、本当に出版社なんてこの世の中に必要じゃなくなる時代が早く来てほしいと思う。
紙の本を欲しがる人はマニアックな趣味を持っている人、という時代になるだろうと思う。それでいい。そういうものだ。