妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

字幕製作の裏側がのぞける

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ (光文社新書)

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ (光文社新書)

字幕製作者の太田直子さんがその裏話を暴露してくれる、映画好きならとても楽しめる本。
翻訳という仕事だから、日本語と言葉に関する文句などもちょこちょこ入っている。
しかしやっぱりおもしろいのは字幕を製作するときの苦労話などだ。なんの仕事も理不尽なことがあるものだが、映画会社と字幕屋さんのやり取り(攻防)も凄まじい。
あと、『ロード・オブ・ザ・リング』の公開時にかなりの話題になった字幕批判騒動。あの騒動の裏話も初めて知ることが書いてあっておもしろかった。(『ロード〜』は太田さんの字幕じゃありません)
僕は昔は洋画は字幕しか見なくて、吹き替え版なんてとんでもない、という気持ちだったが、今じゃ吹き替え版も大好き。最近のDVDは両方収録されているので、1作品で二度おいしいと思ってかなり得した気分になる。
字幕は要約翻訳だから、元のせりふになるべく近い日本語を知りたいと思ったら、これはもう吹き替えに軍配が上がる。それに読まなくていいわけだから映画に集中できる。あなたが持っているDVD、吹き替え版見たことないでしょ? 1回見てみて。