- 作者: 北村薫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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英子も箱入り娘ではないけれど、やはりお嬢様だけに世間の荒波にもまれてはいない。そこへ女性なのに運転手として別宮(べつく)みつ子がやってくる。ベッキーさんと密かにあだ名を付けた英子は、ベッキーさんに刺激されいろんな事件を通じて成長する。
昭和7年の雰囲気がとてもよく出ていて(知らないけど)、読んでいて楽しい。銀座の和光が服部時計店として開業した当時がよくわかる。
北村薫作品はミステリとしてのおもしろさももちろんあるけど、この世界観に身をゆだねるのが心地いいのだ。これを味わいたくていくつも読んでしまう。
この英子とベッキーさんは北村薫3つ目のシリーズだという。“円紫さんと私”シリーズ、“覆面作家”シリーズともにとてもおもしろかったので、これも期待大だ。