妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

やめられないとまらない

アタマが混乱しているときでも読書だけはやめられない。本を読んでいるときがいちばん癒されるなぁ。現実逃避かなぁ。

『おでんの丸かじり』 東海林さだお 著(朝日新聞社
おでんの丸かじり (「丸かじり」シリーズ24)
ぼくはこの「丸かじり」シリーズがなくなったら自分の人生の楽しみの少なくとも8%は減少すると思う。だから東海林さん、体には気をつけて長く続けてね。
エッセイとはかくあるべしとこの本を読んで改めてそう思う。人を楽しませる文章とはこういうものを言うのだ。
電車内読書危険のネタがたくさんあって(吹き出してしまうからね)、未読の人の興を削ぐのでここでは書かないが、「タッパ」の話は誰でもそう思うし、クロワッサンは僕も“けしからん”と思っていたし、ゴマメは哀しいし、タンメンの体になっている以上僕だってそれを貫きたいし、僕は人間界のキヌサヤになりたいと思う。
あぁこんな文章を書ける人になりたい。

つむじ風食堂の夜吉田篤弘 著(ちくま文庫
つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)
僕の大好きなクラフト・エヴィング商會の片割れ、吉田篤弘の長編小説。クラフト・エヴィングで作り上げていたほんわか不思議な雰囲気のある世界がそのまま小説になっていた。
なんとなく村上春樹の世界に似ているような。内容ではなく雰囲気で読ませる作家なのだろう。
しかし僕の好みは雰囲気で読ませる小説ではない。ストーリーがおもしろく、次はどうなる次はどうなる、とドキドキしながら読むのが好きなんだ。その点この小説はストーリー重視ではない。だからちょっと微妙。
クラフト・エヴィングの本はすごく好きなのにそれが小説となると途端に好みじゃなくなるんだな。なんでだろう?