妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

落語を見た

少し前のことだが、1月28日に花緑と風間の落語会」を見に行った。花緑とは噺家柳家花緑のこと。ご存知の方もいると思うが柳家小さんの孫だ。ちなみに僕と同い年。
風間とは俳優の風間杜夫のこと。風間杜夫は落語が大好きで、まあ趣味が高じて本当にやることになってしまったみたい。今回が初めてではなく前にやったときにそれを見ていた柳家花緑が「すばらしい!」と絶賛し今回一緒にやることになったらしい。
で、この2人に新作の落語を書くのが、劇作家の鈴木聡。ラッパ屋という劇団の作家だ。劇作家でありながら落語を書き下ろすというこの人も落語が好きで好きでとうとう自分で書いてしまったのである。小学生のころはお楽しみ会で落語を披露して受けていたらしい。
こんないろんなところが変則的な落語会はとてもおもしろかった。表参道のスパイラルホールみたいなところでやるのも不思議っちゃ不思議。
風間杜夫は本当にうまかった! 趣味とは思えないほど見事に噺家をやってた。「よいしょの階段(はしご)」という古典落語のような新作落語だ。遊んでばかりで親に勘当された若旦那が仕方なく太鼓もちとして身を立てるという話。花緑も、若旦那が太鼓もちになる話は聞いたことがない、という斬新(?)なネタだ。
柳家花緑は「死刑台のカツカレー」という現代もの。およそ落語らしくない変わった話。死刑を待つばかりの若者が死ぬ前に思い出のカツカレーを食べたいと奮闘する。刑務所のシェフの協力を得て試行錯誤したり、しまいには脱獄したりする。
やっぱり普通の落語と違うのか、花緑はけっこう苦労したみたい。話しながら次はなんだっけなと、常に頭が回転してるような状態、と言っていた。
2人の落語のあとは鈴木聡を含めた3人でミニトークショーをやった。鈴木聡がすっとぼけたことを言い、柳家花緑がツッこむ、風間杜夫が隣りで笑顔、みたいな感じ。これはこれでおもしろかった。
またやりたいみたいなこと言っていたので、みなさん次を期待して待ちましょう。花緑はもちろん、風間杜夫の落語は見る価値ありかもよ。