妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

ミステリの教科書か?

ゲームの名は誘拐東野圭吾 著 (光文社文庫
ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
ミステリを読んでみたいけど初めてだからどんなのを読んだらいいかわからなーい、と嘆いている人に本当に勧めてあげたい。東野作品ってそんなミステリの教科書みたいな感じなのだ。本格ものみたいに論理でギチギチになってなくて、読みやすいうえに、ラストの意外な結末まできっちり用意されている。これがおもしろくなくて何をおもしろいというのか?
この作品は藤木直人仲間由紀恵主演で『g@me.』というタイトルで映画化されている。が、この本の解説で藤木直人自身が書いているように、小説と映画とはかなり感じが変わっているそうだ。僕は見ていないのでどう違うかはわからない。今後も映画版を見るつもりもない。
この小説はあっという間に読めるエンタテインメント作品だ。謎が明らかになったとき「あぁそうだったのか!」とカタルシスを得ることができるのがミステリの醍醐味。それをもっとも強く感じさせてくれるのは本格ミステリだけど、東野作品は単にカタルシスだけではないいろんな感情が味わえるのがいいのだ。
そういや今回の直木賞は取れるのだろうか。それも楽しみ。