妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

久々の原田宗典

『どこにもない短篇集』 原田宗典 著 (角川文庫)
どこにもない短篇集 (角川文庫)
とても短い作品が17篇収録されている。そのすべてが奇妙な話だ。気味が悪かったり不思議だったり恐かったり。全体的にホラーテイストになっている。
一篇がとても短いのでワンアイデアの一発勝負的ではあるのだが、いくつかオチが読めてしまうのがあるものの、なかなかおもしろいアイデアばかりだ。
僕もじつは小説家になりたかった時代があって、そのときにはこういう不思議な雰囲気を持った短編を書きたいと思っていた。じっさいいくつか書いた覚えがある。そんなことを思い出した(もちろん出来はプロに較べるべくもないが)。
いちばん好きなのは「削除」という短編。こういうの大好き。気味悪いけどウマい。