妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

直木賞作品!

『柔らかな頬』(上・下) 桐野夏生 著 (文春文庫)
柔らかな頬〈上〉 (文春文庫) 柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)
直木賞受賞当時、結末がかなり話題になったので、ミステリとは言えないというのはわかっていた。ネタバレなので詳しくは書かないが、これは子供が行方不明になった母親の苦悩をこれでもかこれでもかと叩き付けた物語である。
ストーリーがどんどん展開する上巻はおもしろかったが、母親の心の内面に迫っていく下巻は、その反面物語は停滞するから、必然的につまらなく感じてしまう。
でもこれはこの母親の心の旅を追っていく小説なのだろう。ミステリのワクワク感を期待すると肩透かしを食らう。でもそういう小説だと思って読めばかなり勢いのある作品だとわかる。
評価が分かれるのは仕方のない作品だと思う。僕も10点満点で5点てとこかな。