妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

吉村昭作品!

『見えない橋』 吉村昭 著 (文春文庫)
見えない橋 (文春文庫)
たまーに吉村昭の本を読む。ついこないだ『関東大震災』(ISBN:416716941X)を読んで度肝を抜かれたばかりだが、短篇集でも読んでみっか、と手にとった。
刑務所で服役したことのある過去を持つ人が静かに人生を送るというのがどの短編にも見られる。人はそれぞれ過去を抱えて生きている。その人たちに静か光を当てる小説といったらいいだろうか。
たいして大きな展開があるわけでもなく、淡々と物語は進む。でもそれがいい。静かに始まって静かに終わるというか。
「淡々もの」が苦手な僕でも吉村昭作品は読めるのだよなぁ。不思議。