『人形はライブハウスで推理する』 我孫子武丸 著(講談社文庫)
このシリーズ大好き!
登場人物は腹話術師の朝永嘉夫と彼が操る人形“鞠小路鞠夫(まりこうじまりお)”、嘉夫に思いを寄せる(そして嘉夫も思いを寄せる)“私”妹尾睦月(せのおむつき)。
この3人(2人と1体)がいろんな事件に巻き込まれ、それを解決していくミステリである。
そして事件を名探偵のごとく解決しまくるのは、なんとこの人形、鞠夫だ。え、人形が解決するってことは、それを操る腹話術師の嘉夫が解決するってことじゃないの? と思った方。それはちょっと違うんだなぁ。間違いなく鞠夫が解決するんです。
どういうこと? と思った方、ぜひこのシリーズを順番に読んでみてください。順番は以下の通り。
『人形はこたつで推理する』(ISBN:4061859765)
『人形は遠足で推理する』(ISBN:406263001X)
『人形は眠れない』(ISBN:4062632276)
『人形はライブハウスで推理する』(これ)
この鞠夫の鋭いこと鋭いこと。ホントに名探偵だ。なんせ毎回出てくる小田切警部も鞠夫のことをとても頼りにしているくらいなんだもん。
ユーモアミステリなので明るく、さらりと読みやすい。でもトリックなどの部分はけっこうしっかりしてる。簡単に書いてそうで実はこれ名人芸なのだろう。
我孫子武丸はおもしろいミステリをたくさん書いていて、特に読んでほしいのが『0の殺人』(ISBN:4061852272)と『殺戮にいたる病』(ISBN:4062633760)だ。「やられたー!」と思うこと請け合い。