妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

志の輔こらぼ

7月3日に『志の輔こらぼ 能楽どーや』なるものを見てきた。簡単に言えば国立能楽堂で<狂言><笛><落語>の3つを続けて見てしまおうというもの。
狂言は茂山狂言会の皆さん、笛は雲龍という方、落語は立川志の輔。最初に志の輔さんの挨拶があったり、狂言が終わったあと志の輔さんと狂言に出ていた茂山七五三さんとの対談があったり、いろいろ見れてとてもお得な公演だった。
もともと立川志の輔の落語見たさにチケットを取ったのだが、狂言がおもしろかった。茂山狂言会は有名らしく、僕は知らなかったが彼女が知っていた(恐るべし)。『死神』という題で、元はオペラでそれを落語のネタにしたものがあり、それを狂言にしたのだそう。だからなのか、かなり笑えるストーリーで観客のウケもよかった。台詞の言い方が独特なだけで、まあ乱暴に言ってしまえば「お笑い」なわけだ。そう思えば狂言もいろいろ見たくなってくる。
志の輔さんの落語は『徂徠豆腐』という題で、言うまでもなくこれまたサイコー! 貧乏学者に親切心からおからを届ける豆腐屋・七兵衛。困った人を見るとだまっていられない性格なのだ。出世払いでいいからと豆腐を売り歩くついでに学者先生のところまで毎日持っていく。七兵衛が風邪を引いてしばらく行けない間に学者先生はどこかへ引っ越してしまう。悲しいやら悔しいやらの七兵衛。その数年後、大火で七兵衛の店は全焼してしまう。しかし嘆き悲しむ彼のもとに10両もの大金が突然届けられる・・・。
サゲもばっちり決まって思わず拍手。落語らしい落語を聴いたなぁとうれしくなった。
また能楽堂というところへは初めて行ったのだが、能舞台と客席とロビーと建物自体の外観と庭と、そのすべてがすばらしかった。いやぁこういうところへ一度は行っとくべきだね。