妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

やっと読み終わりました

松本清張傑作短篇コレクション<上><中><下>』松本清張 著/宮部みゆき 編(文春文庫)
松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫) 松本清張傑作短篇コレクション〈中〉 (文春文庫) 松本清張傑作短篇コレクション〈下〉 (文春文庫)
松本清張の短篇を宮部みゆきがセレクトして編んだアンソロジーだ。
これも昨今の清張ブームから生まれた企画であろう。商魂たくましいといえばそうだが、清張の短篇を読んだことのない僕にしてみれば、タイミングのいい好企画。あの宮部みゆきのセレクションというのもとっつきやすい要素だ。なんでも宮部みゆきは清張の大ファンらしく、自分の好きな短篇を嬉々として紹介している。
僕が良いなと思ったのは「或る『小倉日記』伝」(芥川賞受賞作品)「恐喝者」「地方紙を買う女」「空白の意匠」「西郷札」「菊枕」あたりだ。特に「或る『小倉日記』伝」は読み終わったときにしみじみしちゃうほど良かった。別にハッピーエンドじゃないし、どっちかといえば悲しい話なんだけど、なんだか胸にくる。
ガイド役の宮部みゆきの前口上もうまーく読者を作品に誘導してくれて、いい感じだ。