妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

こんなのも読み終わってます

東京物語奥田英朗 著(集英社文庫
東京物語
(文庫版の写真がないので、代わりに単行本のやつです)
奥田英朗は『最悪』『邪魔』と読んできて3冊目。もうこの人のはいくら期待してもその期待通りの傑作を書いてくれるから、安心して読める。
この作品は前2作とはまるっきり違うテーマ。青春ものである。
『最悪』も『邪魔』もマズいことがどんどんつながって起きて、ドツボにはまっていくというパターンだったが、この『東京物語』は大学受験を機に上京してきた主人公が東京で成長していく姿を描いている。
この人の書き方は、この「次から次へと大変なことが起きてさぁ大変」パターンなのだということがわかる。
これがマイナス方向に向かったのが『最悪』『邪魔』、プラス方向が『東京物語』なわけだ。
そしてどちらも大成功。本当におもしろい。
この調子だとどんなものでもいけるのではないか。
直木賞をとった『空中ブランコ』も読んでみたい。早く文庫化されないかな。