妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

分厚い

 

この分厚さに否が応でも期待が膨らむ。

期待以上のものすごい犯罪小説だった。

ミステリだけどトリックとかどんでん返しとかそういうのではなく、緻密な描写で事件にまつわるさまざまな人々を圧倒的に描き出す。

警察のジリジリした焦りとか、犯罪被害者遺族の絶望とか、クスリ常習者のヤクザの恐ろしさとか、嫌んなるほど繰り返し繰り返し描写される。

真相はぼやかされてるので細かいことは犯人の自供を知りたいが(そんなものないけど)、まあここまで読ませてくれたらそれは些細なことだ。

いい読書体験だった。