妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

なかなかすごい小説だった

ひとつの交通事故に関わる人々のそれぞれの視点から綴った連作短編集。
交通事故がどれだけ影響を与えるか、どれだけ関係者の生活を蝕んでいくか、つらい話ばかりだった。
それぞれ痛いほど気持ちがわかるが、最終章の男をふる女の言動だけはよくわからなかった。
女をひどいと思うが、手紙という形式だからこの男の主観だけなわけで、これも男の思い込みかもしれない。
それだけのことなのかもしれない。
しかしこれだけの作品を小説でも作り上げられる著者はすごい才能だと思う。