妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

故郷と再起

熱球 (新潮文庫)

熱球 (新潮文庫)

会社を辞めて故郷に戻ってきた主人公と娘、まわりの人々を、主人公がかつてやっていた高校野球と絡めて描く感動長編。
いい場面が山のようにある。
高校時代の仲間たちとの会話も昔のようにはいかないし、今の高校生ともなかなかうまくいかない。
あきらめつつ受け入れつつ、こういう人生描かせたら天下一品だ。
主人公が自分と同世代だった。高校野球はやっていなかったが感情移入はいつもどおり。何度も涙ぐんでしまった。
絶望とかすかな希望。このバランスが重松清はすばらしい。