妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

いまいち入り込めなかった佐藤多佳子

神様がくれた指 (新潮文庫)

神様がくれた指 (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども」がおもしろかったので、これも期待して読んでみたが、意外や意外、そんなにおもしろくなかった。
登場人物(特に主人公の辻)になかなか感情移入できない。辻の性格が掴みきれない。「昼間」というもう一人はキャラがしっかりしているが、その昼間とその姉のシーンはいらなかったんじゃないか。
この小説はスリという犯罪を描いている。犯罪小説なんてたくさんあるから、犯罪をかっこよく書くな、という批判をするつもりはない。でもそう思わせないくらいの描写力がないと思う。何度も「カッコつけてるけど、結局スリじゃん」と思ってしまった。