- 作者: 古処誠二
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 文庫
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まず1970年生まれなのに、なぜここまでの戦争小説を書けるのだろう? 単にこういった趣味を持つだけではない人間ドラマが描けている。
戦争小説は極限状態を描くことになるから、どうしたって実際戦争を体験した世代じゃないと嘘っぽくなってしまう。しかし古処誠二は抑えた筆致で、しかもわかりやすく読みやすい文体で、一歩ずつ物語を進めていくから、ぜんぜん嫌味を感じない。「実際の戦争を知らないくせに」と思わせないのだ。
この『分岐点』では動員された中学生が描かれている。なんとも悲しい結末にやりきれない思いが残った。