妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

金沢に行ったときのこと2

2つのお店をご紹介。

鮨源平

美術館に行く前に寄ったのがここ。近江町市場内にある寿司屋だ。カウンターのみだがそれほど高くない。
カウンターということで最初は緊張した。頼んだのは「もりこみ寿司」(10カンに巻物、しじみ汁)、3150円(だったと思う)。あっという間に平らげ、さすがに足りないので追加を頼むことにした。目の前の黒板に書いてある“のれそれ”が気になる。初めて聞く名前だ。訊いてみると「穴子の幼魚」だという。これは食べてみなくては。
軍艦で出てきたのは白魚のような生シラスのような透明でちっちゃいやつ。形は穴子そのものだ。それがいっぱい乗っている。なぜか申し訳ないような気持ちで頬張る。食感はくずきり。いや、ホントだって。
次に東京じゃ食べられないネタということで食べたのは“赤西貝”。巻貝の一種で、これもちっちゃいから軍艦で。コリコリしてうまい。
ここは職人さんが気さくでいろいろしゃべってくれるので居心地がいい。金沢ならではのネタをリクエストしてみよう。たーくさん教えてくれるぞ。

あうん堂

いわゆるBook & Cafeってとこ。古本屋さんなんだけど、中でコーヒーやケーキも楽しめるみたいな。でも行ってみたら古本屋さんって感じでは全然なかった。ふつうの家に伺ってそこの本棚を見せてもらうという感覚。なんせ靴を脱いで上がるのだ。
本は壁にディスプレイされている以外は、どこかのおうちの本棚を見せてもらってる気分だ。そこで僕が気に入ったのは、「○○さんの本棚」と書いてある箇所。つまりそこら辺は○○さんがまとめて処分(委託?)したもので構成された棚なのだ。そこを見ると自分と妙に趣味が合う棚が作られていたので、なんだか嬉しくなった。
結局そこからサリンジャーの『フラニーとズーイ』『九つの物語』の2冊(1冊100円だった)を購入。かなりボロボロになった文庫本だ。店主は僕が差し出したその2冊を見るなり「ほぅ、これは懐かしい」と微笑んだ。まあね、サリンジャーだもんね。
彼女は山口瞳の本を何冊か購入していた。「ファンなんですか?」なんて話し掛けられたりして。こういうやりとりも古本屋ならではだ。
お金を払っているとプーンといい香りがしてきた。訊くとマドレーヌを焼いているとのこと。心が動いたが、狭い店内に僕ら2人だけしか客はいなくてものすごい静かだし、ホントに人のウチにお邪魔してる感じだったので、なんか緊張してしまいそうでお茶を飲むのは止めた。
しかしキレイでおしゃれでのんびり時間が流れてるいいお店だったな。