妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

東海林さだおはいい!

『とんかつ奇々怪々』 東海林さだお 著(文春文庫)
とんかつ奇々怪々 (文春文庫)
「丸かじり」シリーズ以外を読むのは多分初めてかも。でもやっぱりこの人は食べ物に関するエッセイがおもしろい。
上野にとんかつの名店がひしめいてるのを知ると、3日連続でとんかつを食べてその比較レポートをしたり(もちろんぜんぜん真面目にじゃない)。ご当地ラーメンを自分で作ろうと牛久のラーメン屋めぐりをしたり(かなりテキトー)。
「シーハほじってどこが悪い」という項はあまりのアホな展開に笑いが止まらなかった。
食べ物以外でいえば、「明るい自殺」という項はすごい。話の要点は、人間ボケたあとまで自分で責任がとれない。ボケたら人に迷惑をかけてしまうが、当の本人はその自覚がないのだから責任がもてない。それを回避するには、しっかりしているうちに自殺をするのがよいのではないか。人に迷惑をかけない自殺の方法を考えよう、というかなり重〜い話だ。こんなダークな話なのに、なんと大笑いしてしまうのである。この人の頭の中はどうなっているんだ。
一度は読んでみてくださいな、ショージ君を。