妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

待望のシリーズ

『新・世界の七不思議』 鯨 統一郎 著(創元推理文庫
新・世界の七不思議 (創元推理文庫)
1998年のデビュー作『邪馬台国はどこですか?』(ISBN:4488422012)はめちゃめちゃおもしろく、夢中になって読んだ。いわゆる歴史ミステリの連作短編集で、歴史上の謎を奇想天外な説で解くという、知的好奇心が満足しまくりの1冊だった。
そして待望の第2弾が7年の時を経てやっと登場。もう待ちましたよ。
もちろんその間にもいくつも作品を書いているが、ごめんなさい、読んでません。だってこのシリーズが読みたかったんだもん(理由になってない)。
今回もスリー・バレーというバーで歴史上の謎がバッタバッタと解明されていく。例えば「アトランティス大陸の謎」とか「ナスカの地上絵の謎」とか「ピラミッドの謎」とか・・・。
「聞いたことがあるけど、あんまり詳しくないんだよなぁ」という人も大丈夫。話の中で丁寧に解説されている。
繰り出される説はどれも荒唐無稽なものばかり。でもそれぞれに妙な説得力があり、「ひょっとして正解かも」と思わせてしまう力技なのだ。
まあそれだけにあんまり細かいところを突付くのは楽しみ方として×。おおらかな気持ちで「おお、そいつはおもろい説だ!」と素直に驚きましょう。
さらなる続編を望みたいが、これだけ新説を出すのも大変だろう。というわけで気長に待つことにする。