念願の築地に行ってまいりました。うまいもんが好きなら築地に行かなあかんだろ、ってことで、満を持して初体験。
いろいろな本を読むと、土曜日は混むから早めに行かなきゃならんと書いてある。築地市場にある飲食店は元々市場で働く人々の食事のためにあるのだ。つまり大体朝の5時ごろから営業を開始し、昼の2時には閉店してしまう。昼飯を食いたいと思って12時に行っても、そろそろ店じまいって感じなのである。
というわけで、築地市場前で彼女と朝10時に待ち合わせ。昼飯ではなく朝飯になってしまうがかまうもんか。
まさに業務用施設って雰囲気の正面入り口。ここから入るの！？という感じだが、ひるむことなくトラックが走る脇をこそこそと場内へ。
初めての築地で行くお店はもう決まっていた。事前の情報収集でここしかないと見定めていたのである。それは場内の「高はし」！ 築地一とも言われる丼・定食のお店だ。
他には目もくれず「高はし」へ一直線。10時過ぎにもかかわらず、すでに5人並んでいた。並びの他の店にも5人〜10人くらいの行列が。もっと長い行列を覚悟していたので5人というのはラッキーだ。
店頭に出ている看板には「土曜日の“三本柱”今日もビシッと揃ってます！！」の文字が。その三本柱とは何かというと「当店名物 あんこう煮」「北海道 釣きんき煮付け」「若狭湾 小あまだい一夜干し」の三つ。
そして何をオーダーするかも実はもうすでに決まっている。「小あまだいの一夜干し」だ！
30分ほど待って店内へ。10人くらいしか座れないカウンターのみの店だ。さっそく僕は「小あまだいの一夜干し」、彼女は「あんこう煮」をオーダー。焼き魚は注文を受けてから焼くため15分くらいかかるという。そんなもんいくらでも待ったるで。
「あんこう煮」の定食来る。肝を溶いた濃厚なスープの中にはあんこうのブツ切り、そしてアン肝のかたまりがごろり。スープを飲ませてもらったが、ほんっと濃厚！ スープのみでご飯一杯食える！
そしてお待ちかね、「小あまだいの一夜干し」来る。小ぶりだけど皮の焦げたところなんかおいしそー！ 香りを堪能した後、身を箸でひっぺがしパクッ。やわらかくてホックホクの身、パリっとした皮。それらが口の中で渾然一体となり、気が付くとご飯をバクバクかっこんでた。
店内誰もが黙々と食べ物を口に運ぶ。それも仕方がない。味わってるうちは喋れません。
じつは僕がオーダーした「小あまだい」は僕の次の人で売り切れ。そして「あんこう煮」はなんと彼女の分で売り切れ。10時に来て良かったー！ やっぱりうまいもんは早く来ないとダメだね。店を出ると行列はかなり長くなっており、10人くらいはいたろうか。それを見ても早く来てよかったと思った。
値段は「小あまだいの一夜干し」定食が2300円。「あんこう煮」定食が2500円。確かに安くはないが、朝と昼が一緒になったと思えば妥当な線だろう。寿司なら3500円はいくわけだし。
寿司と言えば帰りに築地でもっとも行列のできる寿司屋「大和寿司」の前を通ってみたが、すんごい人だった。もう行列というよりも黒山の人だかりって感じ。
それ以外にもほとんどの店に行列ができていた。土曜日は混むと聞いていたが、この日はいつにも増して混雑していたようだ。食材の店のおばちゃんがそうこぼしていた。
なんにせよ、自分が築地にはまりそうなのは間違いない。近いうちまた早起きしてうまいもん食いに行きます。
