妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

今日読み終わった本

『幻世の祈り 家族狩り 第一部』
『遭難者の夢 家族狩り 第二部』
『贈られた手 家族狩り 第三部』
『巡礼者たち 家族狩り 第四部』
『まだ遠い光 家族狩り 第五部』
天童荒太 著(新潮文庫

幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉 (新潮文庫)遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉 (新潮文庫)贈られた手―家族狩り〈第三部〉 (新潮文庫)巡礼者たち―家族狩り〈第4部〉 (新潮文庫)まだ遠い光―家族狩り〈第5部〉 (新潮文庫)
なんとも重いテーマを扱った物語だ。
あの『永遠の仔』の天童荒太がなんと5部作という大作を完結させた。
これは95年に発表された『家族狩り』という小説を簡単に言えば“リメイク”したものである。ただし95年版『家族狩り』は1冊で終わりだが、こちらは5冊だ。テーマが同じだけでまるで別物と言ったほうがいいかもしれない。
そのテーマは“家族”。この人は『永遠の仔』でもそうだったのだが、一貫して家族をテーマにしてきている。
主要登場人物はすべて家族に何かしら問題を抱えている。それを乗り越えたり乗り越えられなかったり。家族の問題だからなかなか他人が介入できない側面があるし、それゆえにこじれていくことも多い。
自分のこととしてなかなか家族というものを考える機会がなかったので、この物語を読んでちょっと考えてみたりもした。そういうきっかけになったのは良かったと思う。
でもまあ、家族を持つ・子供を育てるってのは難しいんだね。将来、自分が家族を持つことになったとき、どんな家族になるのだろうかと多少不安になった。