妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

今日読み終わった本

『懲戒の部屋 【自選ホラー傑作集1】』筒井康隆 著(新潮文庫
懲戒の部屋―自選ホラー傑作集〈1〉 (新潮文庫)
筒井康隆、まともに読んだことがなかったので、こういうベスト盤みたいなやつがちょうどいいなと思ったのだ。オビに大槻ケンヂの推薦が書いてあったし。
全部で10篇収録されている短編集。ホラーとなっているが怖くない。やっぱりユーモアが根底にあるんだな。どこか含み笑いしながら怪談話してる雰囲気があるもの。
「顔面崩壊」「蟹甲癬」は気持ちが悪くて、でも笑ってしまうくらいすごい。食事しながら読むのだけはやめよう。
「走る取的」「乗越駅の刑罰」「懲戒の部屋」はいずれも、何が何だかわからないうちに恐ろしいことに巻き込まれる話だ。そんな馬鹿なと思うだろうが、これらを丁寧に映像化していったら秀逸なホラー映画が出来上がる。誰かに挑戦してもらいたい。
大槻ケンヂも泣いた「かくれんぼをした夜」。これのどこがホラーなんだ。ホントにしみじみ泣けるじゃないか。
なんとなく読まないでいた筒井康隆に手を出すことができました。
名前は知ってるけど読んだことないって人はこの辺から読むといいんじゃないかな。