妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

やはりこの辺好きだな

 

画壇とは離れたところで活動してきた商業美術家を紹介している。

教科書に載るような高名な美術家は高く評価され、たくさん描いてそれを売って生活していた美術家は低く見られる。そういう風潮に異議を唱える本書。

でも最近では商業美術家も展覧会がたくさん開かれ、評価も徐々に上がっていると思う。

イラストレーターの展覧会もたくさんあるし、漫画家の展覧会もたくさんはないが見たことはある。

古くは浮世絵も商業美術の最たるものだし、小説の挿絵で大人気になった人もいる。

もうこういう分け方が古い時代になっていると思う。

でも少し前までこの古いしきたりは厳然としてあって、そこで埋もれてしまった美術家がたくさんいる。それを掘り返して紹介することを一貫してやっているのが山下先生だ。

この人が監修した展覧会は今まで数多く見てきた。そこで初めて知ったアーティストもたくさんいる。本書で紹介されている美術家でも「ええ?この人が商業美術家なの?」とびっくりする人もいる。

全部かっこいい。全部見てみたい。

とりあえず今年秋に開催予定という玉井力三展は絶対に見たい。