妄想特急 books & music

読んだ本と聴いた音楽のメモ

日本史おもしろいな

 

考える日本史(河出新書)

考える日本史(河出新書)

 

気まぐれにこんな本を読んだ。

あらゆる時代を対象に、様々な切り口で語っていく。

日本史の教科書には載っていないことをまさに“考え”ていく。これがおもしろい。

日本史は好きだが、予想外のところから話が始まるから驚いているうちに終わってしまう。

考えてみれば戦国時代なんて人殺しがそこらじゅうで行われている時代なんだな。

また「日本」という概念がない時代は国家という概念だってない。言われてみればそうだ。

こういう授業を受けたかった。

これはおもしろい

 

などらきの首 (角川ホラー文庫)

などらきの首 (角川ホラー文庫)

 

 ホラー短編集。

短編でもおもしろかった。ホラーだけどストーリーの面白さが図抜けているので、ホラー嫌いでも間違いなくおもしろいと思う。

ミステリ色が強いのである。

ミステリというと、超常現象と思われたものが実は論理的に説明できるという、そういう解決を考えるが、これはホラーであるので不思議な出来事は不思議のままで終わるというのがよい。

怪奇現象ではあるのだけど、謎が解ける快感があるのがすごい。

いやあこの人、本当に力がある。次作も楽しみだ。

ロッキード事件

 

 

消えた21億円を追え ロッキード事件 40年目のスクープ

消えた21億円を追え ロッキード事件 40年目のスクープ

 

 ロッキード事件を今再調査して様々な検証を行うNHKのテレビ番組の書籍化。

当時自分は幼かったのでロッキード事件のことはよくわからなかったので、事件の概要を知る上でも読んでよかった。

でもさすがに40年たっているので関係者は次々と鬼籍に入っているし、新たに証言を得ることは難しいだろうと思っていたが、40年たった今だから証言できる場合もあり、難しいけれどもそれなりに意味のあることだった。

事件の詳細を知ってみると、現在の日本とアメリカの関係とほとんど変わらない状況なのが悲しくなってくる。

どうやってもアメリカから独立することはできないんだなぁと諦めの気持ちにもなる。

今のアメリカ人はこの事件をどう思っているんだろうか。

大変だな

 

イップスは治る!

イップスは治る!

 

 イップスになったスポーツ選手へのインタビューやそれを治す人たちへの取材などを通してイップスがどういうものか、克服できるのかを綴る。

自分はアスリートどころかスポーツはからきしダメなんだけど、純粋に興味があって読んだ。

今までできていた(それも普通の人より高度に)ことが突然できなくなる、練習していくうちに治ればよいが、それが原因でプロを辞めざるを得なくなる、となるとプロスポーツ選手にとっては一大事である。

素人目で不思議だなと思っていたが、原因の一つに今話題となっている指導者の指導のやり方があると知ってこれは本当に改善しないとまずいと思った。

こういう本をまず指導者に読んでほしい。

純文学?

 

渡良瀬 (新潮文庫)

渡良瀬 (新潮文庫)

 

 東京から地方に引っ越して配電盤の製造工場で働く主人公。その生活を淡々と綴る。

特に大きな事件が起こるわけではなく、ほぼ工場での作業を描写している。

主人公はいろいろ事情はあるが、人当たりのよい穏やかな性格で工場の仲間ともうまくやっていっている。

淡々と進むので「だからなんなんだ」という思いもよぎる。

でも面白くないわけでもないのが不思議だった。

長かった

 

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

 

 文庫で最初に出た際に買って、読まずに放置していた。場所をとるので読んでから処分しようと思い今頃読んだ。

しかし長かった。

あまりの厚さに手を出せずに20年近くほっぽっといたわけで、読めばあっという間に読めるもんだなとは思ったが、やっぱり長い。

単なるミステリのつもりで読むと手痛いしっぺ返しを食う。

でもこれが人気なんだから不思議なもんだな。

すごい仕事だ

人殺しの論理 凶悪殺人犯へのインタビュー (幻冬舎新書)

人殺しの論理 凶悪殺人犯へのインタビュー (幻冬舎新書)

 

ノンフィクションの事件取材をしている記者の著者が今まで関わった殺人犯との面会でのやりとりを紹介した本。

いくら取材とはいえ、凶悪殺人犯と面会して話すというのは恐ろしいと思う。相手は塀の中だけどどういうふうに逆恨みをされ、仕返しを受けるかわからない。

新書ということもありいくつかの事件をかいつまんで取り上げているので、あっさり読める。事件はどれも凄惨を極めているので気持ち悪くなるが。

凶悪殺人犯も会って話をするだけなら普通の会話になるのが怖かった。つまりどんな人でも人を殺してしまう一瞬というのは訪れるんだなと思う。殺人者=異常者というのは必ずしも正確ではない。